先日、出張でイタリアへ行ってきました。毎年2月と9月にミラノで開催されている世界規模の靴の展示会MICAMと、資材の展示会LINEA PELLEの視察、そして市場調査が目的です。
市場調査とは
市場調査と書くと堅苦しいですが、その内容は、街で販売されている靴、売れている靴の調査なので、簡単に言うとウィンドウショッピング。セレクトショップや靴専門店を巡って、旬の情報を集めるお仕事です。石畳の街中を1日中歩きっぱなしで、足はパンパン(後半は1サイズくらい足が大きくなってた…)になりますが、靴好きの私にとっては最高に楽しい出張でした。
市場調査の醍醐味といえば、私物の購入!私物購入を許されない会社もあるらしいですが、うちの会社はフリーダムなので、遠慮なく自分用の靴を購入させていただきました。どちらかと言えば、同行していた社長に乗せられて買った感もありますが(笑)。
せっかくなので、私が購入した靴をご紹介したいと思います。
私物購入①:Feragamoのパンプス
世界各国で著名人も愛用する、言わずと知れたブランドSalvatore Feragamoのパンプス。
型落ち品ではありますが、デザイナーズブランドのアウトレット店DMAGで€262でした。VAT還付で€31戻って来るので、手数料なども含めて日本円に換算すると3万円弱。箱付き(少し凹んでいますが)新品のFeragamoが3万円以内で買えるなんて!!!アウトレットはサイズがあればラッキーですね。Feragamo以外にも、MAISON MARGIELA、LANVIN、FENDIなど、名だたるブランドの洋服や服飾雑貨がギッシリでした。
DMAG designer fashion outlet 公式WEBサイト
https://www.dmag.eu/en/JP
ミラノの中でも中心部に数店舗あるようなので、郊外のアウトレットまで行く時間のないときでも、比較的立ち寄りやすいと思います。海外旅行などでミラノへ行かれる方は、ぜひ立ち寄ってみてください。
私物購入②:Lointsのアンクルブーツ
Loints of Hollandは、100年以上の歴史があるオランダの靴ブランドで、コンフォートシューズとして世界20ヶ国以上で販売されています。
Loints of Holland ブランド公式サイト
https://lointsofholland.com/
日本でもセレクトショップやロコンドなどで取扱いがあり、日本での販売価格は3万円前後ですが、私がミラノで購入したこちらのアンクルブーツは、超特価で€70(約8,600円)でした。元値は€165の値札がついていたので、off率から考えると前年のモデルなのでしょうか。
ロインツの靴の特徴の1つは、ライニング(裏材)を使わず、厚口の材料1枚でアッパーを仕上げていること。これにより、接着剤の使用を減らしているそうです。この靴もその仕様で、履き口のフェルトはかなり厚口です。
擦れて靴擦れするかな?と思いましたが、フェルトは意外に柔らかく、今のところ靴擦れとは無縁です。
2つ目の特徴は底周り。
丸みを帯びた立体的なアウトソールをステッチダウンで取り付けているため、程よく足を包み込んでくれる上、屈曲性が良く、とても歩きやすいです。このアンクルブーツはロインツの中では薄いほうの底 “ターボ” なので、試し履きをした際は「底うすっっっ!」と思いましたが、半日ほど履いているとコルクのインソールが程よい柔らかさになり、弾力が出てきました。底が薄い分、地面をしっかり足裏で捉えている感覚があり、重心が安定して歩きやすいです。
因みに、この靴を購入したのはポルタジェノバの駅前にある靴屋さんでした。
G.Turci Calzature 公式サイト
https://www.turcicalzaturemilano.com/
午前9時過ぎにショーウィンドウを覗いていると、おじさんが中に招き入れてくれてビックリ!なんと、午前8時半から営業しているそうです。コンフォートシューズをたくさん扱っていて、同行した方々は特価のビルケンを購入していました。
なぜイタリアで革靴を買うと安いのか?
私が購入した2足は特価品だったので、現地でも激安の部類ですが、特価ではなくても日本よりも革靴を安く購入できます。
ここまで読んでお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、私が購入したロインツのアンクルブーツの元値は€165(日本円で2万円ちょっと)なので、ロインツが日本では平均3万円前後で販売されていることから考えると、イタリアで購入したほうが1万円ほど安い計算になります。
この価格の差は、海外輸送費と関税、中間業者の手数料などです。特に日本は革靴の関税が高く、一般的な革靴を例に挙げると税率30% or 4,300円/足の高いほうを関税として支払わなければなりません。(室内履きなどは60% or 4,800円/足の高いほう等、靴種や素材によって細かく規定があります。)革靴の輸入実績によっては関税を割り引いて貰える制度もありますが、単純に考えると最低でも1足あたり4,300円の関税+輸送費が加算されるために割高になってしまうのです。
ヨーロッパからの輸入関税のこれから
ヨーロッパからの輸入関税に関しては、2019年2月に日欧EPAが発効されました。ワインやチーズの価格が下がるという報道を目にした方も多いと思います。この協定によりヨーロッパからの革靴の輸入関税は漸次減少し、2029年または2034年に撤廃される予定です。
2020年の今は、まだまだ関税率が高いため、現地で購入して個人の持ち物としてハンドキャリーすることで、関税分かなりお得ではありますが、この先は関税が年々安くなるので、今までのような超お得感はなくなってくるかもしれませんね。