今回のテーマは、「現役の靴企画職が教える、トレンド情報の収集方法」です。
私の本職である靴企画の仕事は、ファッション雑誌よりも早くトレンドを掴む必要があります。何故なら、シーズンの4~6ヶ月前(展示会シーズン)にはサンプルを完成させなければならないからです。ファッション雑誌やインフルエンサーは、シーズン直前~立ち上がりの時期にトレンド情報を発信しますが、それらは各ブランドが展示会で提案する情報が元になっています。
では、企画職の人々は半年~1年先のトレンド情報をどのように収集しているのでしょうか。一昔前は会社でトレンドブックやコレクション画像集を購入していた時代もありましたが、今は無料で情報収集する術がたくさんあります。ファッション好きの一般人が発信する情報も増え、情報の取捨選択が難しくなっていると感じるほどです。
当記事は、現役企画職の私が実際に参考にしているWEBサイトの一部を紹介する、太っ腹な(?)企画です。靴・ファッション雑貨にフォーカスした情報ですが、一般の方も閲覧できる情報が多いので、ファッションブロガーの方々の参考になればと思います。
ファッショントレンドを先読みできるWEBサイト
コレクションのレポート
VOGUE
数あるコレクション情報サイトの中でも、ディテール写真が多く見られるのが特徴です。靴やバッグ、アクセサリーなどのクローズアップを見るなら、VOGUE一択ですね。
WWD JAPAN
記事一覧画面で「10秒で読む」機能をオンにすると、パソコンでは複数枚の抜粋写真、スマートフォンでは各記事のポイントが表示されるため、ブランドごとのページにアクセスせずに概要を把握できます。コレクションの斜め読みに最適だと思います。
※「10秒で読む」は日本版サイトの独自機能のようで、本国の英語サイトにはありません。
トレンド予測を行う企業のWEBサイト
WGSN
マーケットリサーチ、トレンド予測を行うイギリス企業。アパレルに限らず、幅広い分野のファッショントレンドを発信しています。誰もが名前を知るような大企業は、このような企業から情報を購入して商品企画に活用しています。
ブログが週2~3回更新されており、一般人でも閲覧可能です。ブログだけでも、世界のファッショントレンドの動向を掴むことができるでしょう。
FASHION VIGNETTE
https://www.fashionvignette.com/
トレンド予測~ブランディング、商品企画まで行う、アメリカのデザイン会社。1年~1年半くらい先までのムードボードが公開されています。ブログがライブラリのようになっており、誰でも無料で過去シーズン~最新までを閲覧できます。
カラー関連のWEBサイト
JAFCA(一般社団法人 日本流行色協会)
インターカラー(世界のトレンドカラーを選考する機関)に日本代表として参加している機関。日本市場向けにアレンジしたトレンドカラーを発表しており、ファッション雑誌が「今年のトレンドカラーは〇〇色!」と発表する情報ソースのひとつです。
JAFCAの部会員になるとシーズンの1年半前にトレンドカラーの情報を入手できますが、とても高額です。一般人でもシーズン数ヶ月前にはトレンドカラーを閲覧できます。
PANTONE
世界共通の色見本帳を作成しているアメリカ企業。商業デザイナーであれば誰もが知る存在だと思います。毎年トレンド色を発表しており、近年はインフルエンサーもPANTONEのトレンド色に注目する人が増えています。
「FEATURED COLOR ARTICLES」のコーナーで、色に関する記事を閲覧できます。
資材関連の合同展示会
製品の合同展示会は半年先のトレンドですが、資材関連はそれよりも早く一年先のトレンドをキャッチできます。最近は、展示会の公式WEBサイトでもトレンド情報発信が増えたので、現地に行かずに得られる情報もあります。
実際に現地へ行った資材問屋さんから展示会レポートをもらうことも多いです。
Premium Textile Japan
テキスタイル展示会です。靴やファッション小物向けの展示会ではありませんが、アパレル向けの素材トレンドをリサーチできます。
ファッションワールド東京
ファッション関連の総合展示会ですが、同時開催で生地・素材の展示会も開催されています。
東京レザーフェア
浅草で開催される、靴・ファッション雑貨の資材に特化した国内の展示会。レザーフェアという名前ですが、合成皮革やファッション小物に適した生地、金具類の資材も出展されています。
LINEAPELLE
https://www.lineapelle-fair.it/
イタリアで開催される、靴・ファッション雑貨の国際的な展示会。会場で販売されているトレンドブックは見応えがあります。
WEBメディア
アパレル業界誌のWEBメディア
WWD JAPANやVOGUEは既出なので、それ以外に私がチェックしているアパレル業界誌のWEBメディアを紹介します。
繊研新聞
名前の通り、アパレル関連の新聞を発行している新聞社のWEBサイト。業界のビジネス情報を配信しています。無料でも十分な数のWEB版記事を閲覧できますが、電子版を契約することで、アナログ版の新聞に掲載されている全記事をWEBサイトで閲覧できるようになります。
FASHIONSNAP.COM
icon class=”icon-link”] https://www.fashionsnap.com/
ファッション&ビューティー関連の情報を中心に、アート、カルチャー、スポーツなど多岐に渡るトピックを取り上げるWEBメディア。コレクションのアーカイブや、ストリートスナップも閲覧できます。
他のWEBメディアやファッションブログ記事の転載もあり、他サイトで既読の記事が1~2日遅れて配信されているのを頻繁に見かけます。逆に言えば、ファッションスナップだけを購読していれば、大まかなニュースは把握できるかもしれません。
サステナビリティ関連のWEBメディア
ELEMINIST
エシカル&ミニマルなライフスタイル情報を発信するWEBメディア。ファッション、ビューティー、インテリア、飲食など幅広く、国内外のサステナブル関連トピックを取り上げています。
サステナブルな商品を取り扱うECサイトも運営しています。
Sustainable Brands
https://sustainablebrands.com/
サステナビリティをテーマとした、ビジネス情報を発信しています。ファッションブランドの情報もありますが、どちらかと言えば、これからのビジネスや企業のあり方について考えさせられる記事が多いです。
サステナビリティは一過性のトレンドではなく、継続的に取り組むべき課題ですが、ファッショントレンドもサステナビリティを意識したテーマに移行しています。環境配慮だけでなく、多角的な考え方を学ぶべく、グローバルな情報を収集するようにしています。
※上記URLは英語サイトですが、日本版も存在します。日本版はローカライズされており、主に日本企業の情報が掲載されています。
次回予告:リサーチのお供に!おすすめ便利ツール3
最後まで読んでくださったあなたは、こう思われているかもしれません。
「こんなに多くのWEBサイトに常に目を通しているの?しかも英語サイトも多いし…」
確かにそうです。今回はトレンドの先読みに関するWEBサイトを紹介しましたが、実際には未来のトレンドだけでなく、現在のマーケット分析も行っているため、もっと多くのWEBサイトをチェックしています。
私は英語が得意というわけではないですし、速読ができるわけでもない、ごく普通の日本人です。ですから、効率的に英語サイトの更新情報をチェックし、大量の情報を整理するために、便利なツールを使用しています。それらのツールは、次回の記事で紹介したいと思いますので、よろしければ次回もお付き合いくださいませ。