ZOZO MATでシンデレラシューズは買えるのか?

昨年6月に記事にした、スマートフォンを使って足の3Dサイズ計測ができる「ZOZOMAT」が、ついに運用開始されて私の手元にも届きました!(先月のことですけど…笑)

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ZOZO MATとは

ZOZO MAT(ゾゾマット)とは、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOが開発した、足のサイズを3D計測できる技術です。ZOZOが無料配布(2020年4月現在)する特殊印刷の紙製マットに足を乗せ、スマートフォンのZOZOTOWNアプリでスキャンすることで、足の形状を3Dで簡単に手軽に計測できる仕組みになっています。

マットはこんな感じで届きます。

定型サイズに折り畳まれて入っており、郵便受けに投函される形で届きます。受け取りに在宅の必要がないので面倒がなくて嬉しいですね。

ZOZO MATの使い方

計測方法はシンプルです。

1)スマホのZOZO TOWNアプリを起動して、画面右下の「計測・その他」をタップ。

2)画面上部の緑のバナー内「足計測をする」をタップ。
(ログアウトしている場合は、次にログイン画面が表示されるのでログインする)

3)計測する人の性別、名前(保存データの表示名になります)、生年月日を入力して、下部のOKをタップ。

4)アプリの案内に従ってZOZO MATに足を乗せ、スキャンを開始。

少しコツが必要ですが、アプリの画面表示や音声案内はとても丁寧なので、しっかり画面を読んで、音声案内通りに進めれば、1人で計測することが可能です。

計測結果を検証してみた

私がZOZO MATで計測した結果はこちら…

計測結果は5回分(5人分?)保存できるので、精度の検証のために3回計測してみました。やはり計測する毎に2〜3mmの誤差は生じます。因みに、ZOZO MATの計測値を平均した値と、手計測した値を比較すると…

スマホアプリにしては、上出来な精度ではないかと思います。木型を作る仕事をしている知人も、現行のアプリの中では1番精度が良いのではないかと言っていました。

靴とのマッチングは…?

ZOZO MATで計測が完了すると、アプリ内に計測データが保存され、ZOZO TOWNで販売中の靴の中から、サイズが合いそうなものをお勧めしてくれます。また、ZOZO SHOESの特集ページにも靴との相性がパーセンテージ表示されるようになります。まだZOZO MATに対応した商品が少ないので、これから増えてくることに期待したいと思います。

肝心のマッチングについては、少し大きめサイズが選ばれているのではないかと感じました。お勧めされたサイズの靴を実際に履いたわけではないので断言はできませんが、普段から色々なブランドの靴を試し履きしている私の感覚では、そのブランドのパンプスをそのサイズで履いたら、絶対かかとが抜けるよね…と思うサイズでした。

足型計測の精度は良いけど、少し大きめの靴をオススメされる可能性あり

木型のサイズ=靴の内寸ではない現実

私は、新品の靴の内寸は木型よりも少し小さくできているのではないかと考えています。特に伸縮性の高いアッパー材は、その傾向が顕著だと思います。数値化したわけではありませんが、同一木型、同一デザインの材料違いの靴を販売してきた経験の中で、お客様からのご意見、自分自身の感覚から思い至ったことです。

靴は木型に沿わせることで成形します。靴作りの過程で「釣り込み」という作業に当たりますが、この作業ではアッパーを引っ張りながら木型に沿わせます。引っ張りながら木型に沿わせるということは、アッパー材が若干伸びた状態で木型の形になるということです。

さて、木型を抜いたらどうなるでしょう?…アッパー材は元の大きさに戻ろうとしますよね。伸びていたアッパー材が縮むということは、靴も全体的にほんの少し小さくなるということが想像できます。

本格的な高級革靴ではコシのある革を使っており、釣り込み後に木型を入れたまま数日寝かせて保型性をアップするため、木型を抜いたときの縮みは少ないものです。しかし、安価な靴は生産効率を上げるために木型を短時間で抜いてしまいますし、近年は日本人好みのソフトな足入れ感を得るために柔らかい素材を用いることもあり、木型サイズ >靴の内寸 の傾向は、より顕著なのでは…と思います。

以上のことから、靴の内寸を計測してオススメしてくれるシステムでは、1サイズ大きめを推奨する結果となるのではないかと推測しています。ZOZO MATの計測精度の良さは評価できますが、実際にシンデレラシューズを購入できるかと問われれば、現段階では不安があります。WEBショップで靴を購入する際、ZOZO MATはあくまでも参考程度と考えたほうが良さそうです。

「ZOZO MATでオススメされたサイズだから、私の足にピッタリのはず!」と思い込み、合わないサイズを無理やり履き続けるなんてことは、絶対にしないでくださいね。

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この記事を書いた人

1978年生まれ。工業高専の建築学科を卒業後、大手サッシメーカーに就職。20代は事務職を転々としながら、音楽制作やインターネットラジオの制作運営に明け暮れる。30歳のときにバンタンキャリアスクールで靴作りを学び、靴業界へ転職。現在は神戸市長田区の靴企画会社にて、事務職と企画職を兼務中。

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